漢字でワープ 1

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窓の風景が違いすぎる。
梅にメジロ、こちら本日の最高気温は8度の予報。北見あたりは最高気温はマイナス4度とな。

北海道の情報誌などで困るのは、地名が読めないこと。
てしくつ?違うな、これは、てしかが、弟子屈
なかひょうづ?いや、なんだっけこれ。
北海道来訪者はこのハードルを引っ掛けながら読み進める。
耳で聞き覚えたのでは無いと漢字で読んでしまう。


むかしむかしの「日本」に文字は無かった、少なくとも体系的な表記は無かったようで、
海の向こうから漢字が伝えられ、意味が同じか近い文字を自分たちのことばに当てはめてみた。
「やま」には「山」、「かわ」には「川」、文字で伝えることができるようになった。
かぜは風、ひかりは光、そらは空、天、ふるゆきは雪、水は氷る

日本語には漢字がある。漢字をもとに作ったひらかな、カタカナもある。
この広い世界、文字の有る言語と無い言語、があります。音だけではなくその音を表す記号があれば便利なのに、なぜ記号である文字が無いままで居られるのか、漢字学の本の編集を担当している方におはなしをお聞きしててあっさり納得。

つまり
そのためには王様がいるのです。

そうですね、それはそうだ、トップダウン。中央の絶対権力、ってやつが要るのです、文字を制定して広い地域で統一するトップが必要なのですよね。
あの町この村ところトコロてんでバラバラな使い方をしていると伝わりません、
度量衡もまさにそう、長さや重さなど、基準を定めないことには他とのやりとりができません。

日本地域に暮らす人々は、漢字が伝わって便利にしてきて幾年月、いろいろ求めて
当時蝦夷と呼んでいた大きな島に移り住むようになる。ここはどこ?なんというところ?
もとよりそこいらで暮らしていた土地の人々が名付けている地名を、漢字を使って表すようになりました。
ただし、意味ではなくて音を聞いて、似たような音になるように漢字を並べた、つまり当て字、意味は無い。

かくして、北海道の地名の多くはアイヌ語由来によるものとなった、今日ではこういう了解の仕方がなされている。
ふむふむ、それで読めないわけだ、おもしろい響きだとは思っていましたが、読みにくいのには理由がある、わけあって読みにくい地名、北海道に限りませんけどね。

日本語起源には様々なお説があるようですが、なべて何事も一色ということはないわけで、
コトバは横の広がり縦の広がりの織りなす模様、いろんな地域に暮らす人々の話す音が折重なりして受け継がれてきたのでしょうね。
北海道の情報誌は移住体験の入門テキスト、アンド
北海道の地名はアイヌ語の入門、ではないでしょうか。


さて、それでは当て字に使う漢字のチョイスはどうでしょう。

美幌町アイヌ語「ピポロ」(水多く大いなる所)の転訛
アイヌ語に由来するが、「ピポロ」〔石・多い〕あるいは「ペホロ」〔水・多い〕の二説があり、特定しがたいとされる。(wiki)

ピの音に美、ポロは幌
アイヌ語は音韻として見る限り清濁の区別がない。 pet= bet (河川)、poroは(大きい、広い)
 

つづく