町の記憶 びほろデパート

 

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MATCHBOOK – CHICAGO – AMBASSADOR HOTELS  
ホテル アンバサダー シカゴ  - 4つ星ホテルのマッチブック。
1926年築、シカゴのジャズ時代から続く豊かな歴史を持つ
1950年代にはフランク・シナトラマリリン・モンローも利用
雑貨屋near.にて購入


町にデパートがあった、
そこにはエスカレーターがあった、
映画館が入ってた、
それっていったいどこにあったの?美幌の記憶お店編、
場所を特定できまして、ああそうなんだ?と独り合点がいきましたことですが、

デパートのビル解体のあとは郵便局が移転新築した、との情報きゃっち。
びほろデパートはあそこにあったのか。

一般に商店街は流行歌が流されることはある、
美幌の大通りの街灯は拡声器が搭載されていて、美幌郵便局の玄関前の街灯からは4車線を有する道路の向こうにいても気がつくほどの音量の響きがする、人がほとんど歩いていない歩道になぜ?
ボリューム高く流行歌が流されていることが疑問といえば疑問であったことでしたが、
そうなんですね、そこはかつての繁華街、デパートがあったところだった。

拡声器搭載街灯とはその記念碑であったのか、そうなんだ
一見さんで通り過ぎるだけの人にはわからない、
町の人々の記憶にしか残っていないデパート、
その記念碑、音の記念碑なんですね。という解釈でそれなりに落着。

 

地域の便利ステーションであった駅逓の郵便部門を背負って立つべく
1904(明治37)年12月20日 - 美幌郵便局が開設された。電話番号は0番のであった。
その美幌郵便局が今あるところに、少し昔、デパートがあった。

びほろデパート@農協ビル 
1960(昭和35)年 鉄筋コンクリート造4階建 農協事務所とデパートが併設
1972(昭和47)年 農協デパートはびほろデパートと改称、48年増築してエスカレーター設置
この界隈は町内で最も活気があった
1993(平成5)年閉鎖1994(平成6)年取り壊し

ビルの中に映画館があった。美幌町には映画館はかつて3館あったようです。
美幌町と映画とくるとはずせないのは「君の名は」。真知子さんの方ですよ。

昭和時代、「君の名は」という日本映画がたいそう流行ったようで、
ユーチューブで拾い見してみましたよ。
菊田一夫氏脚本、1952(昭和27)年にラジオドラマとして放送されたメロドラマ。1953年〜54年には岸惠子主演で全3 部作で映画化、ヒロイン・真知子のストールの巻き方は「真知子巻き」として大流行。
「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」、このゆかしい日本語は、ラジオドラマの冒頭に毎回挿入されていたナレーション。

この映画全3部作のうちの2部のロケ地が、美幌。
慕い合う2人が再会し、またもやすれ違ってしまう最果ての地、として登場します。
後宮春樹と氏家真知子の悲恋物語
(北の映像ミュージアム http://kitanoeizou.net/blog/?p=2186

「君の名は 第二部」(1953年(昭和28年)、大庭秀雄監督)のロケ地
砂利道を幌馬車が行く、カメラが幌馬車を追う、でこぼこな道にこちら美幌峠の道標が立つ。白樺の幹に楕円形のプレートが打ち付けてある素朴な案内板、黒地で筆文字は白で「美幌峠」。
カラーではない白黒フィルムなので黒地(に見える)板に白文字は浮き立っている。

2015(平成27)年、町民会館びほーるで上映されたようですが、
往時を懐かしむ美幌婦人の多かったことかと想像しますに、
若かりし頃どのような映画館の暗闇でヒロインの不運に紅涙を絞ったのか、
ネットで検索していますと昭和時代映画全盛期にこのような事件があったことを知ってしまった。
美幌の映画館火災事件、
焼け焦げの管内の写真が掲載されている。白黒写真です。


以下この火事に関して言及しているサイト 

火災 : 日本火災学会誌 / 日本火災学会 編
第2章 観覧施設または観客に係る事故事例  
1959 1.27 北海道 網走郡 美幌町 映画館 銀映座 *事例4 600 12 【出火】上映前のレコード演奏中に舞台の隣の ボイラー室から出火した。
【避難】定員 420 名を超えて約 600 名の観客 が入場していた。避難誘導は行われず、逃げ 遅れて 12 名の観客が犠牲になった。
味岡健二「美幌町銀映座の火災」日本火災学会「火災」33(9-1)、1959 年(昭和 34 年)、pp.37-41)
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/kk/pdf-data/22k-jt02.pdf

 

昭和34年1月27日 銀映座火災 午後5時頃出火
死者12人、負傷者22人と美幌町開基以来の大参事となった火災
美幌・津別広域事務組合
http://kouiki.town.bihoro.hokkaido.jp/docs/2013121800020/


てんき屋の風船な日々 昭和34年1月28日北海道新聞が記事にした文章が紹介されている。
http://ezo-engosaku.seesaa.net/article/387501835.html
このサイトは個人のブログ、気象を軸に北海道の出来事を広く語っておられる、興味深いです。