何もない春

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いくら丼 2,380

鹿の頭 186,000

 

襟裳岬灯台、高さ14メートル、まるっちい白いキャップがめんこい、岬突端を歩いてみたくて車を止める。パネルバンの軽トラが揺さぶられる、風が強い、今日が特にそうなのか、風圧でクルマのドアが開けにくい、降り立つ、うわあキッツイ風、

そして磯の香り。

たてものの中に逃げ込む、いやあ、できればここに寄りたくはなかった、えりも岬観光会館センター、だからっ、やはりっ、できれば避けたかったのですよ、なぜって、

「襟裳の春は 何もない春です」、必ずこれを聞くことになるのだろうな、嫌いな歌ではない、昨今の流行歌より歌詞の解釈に広がりがあるでしょう、はい、だがしかし。

 

日本の観光地に行けば必ずやご当地産食材使用の食堂があり、土産物売り場があり、エプロンをつけた地元の女性たちがたち働く。割り箸と爪楊枝、醤油の卓上便とビール販促の卓上ポップスタンド、メニューの書かれた紙。

 

鹿肉ラーメン1,350円を注文した。たてものに滞在したのはおそらく半時間ほど、その間ずーっと「何もない春です」なのですよ、女性の歌声のものと男性(森進一)の歌声のとが交互に、波のようにおしてくる、この曲が世に出たのは1974(昭和49)年、それでは、BGMとなったのはいったいいつから?30年くらいはずーっとこの曲なのでしょうか?えりも岬観光センターさん?

 

1889年(明治22年)625 - 初点灯。

1945年(昭和20年)715 - 第二次世界大戦時の爆撃で破壊される。

1950年(昭和25年)23 - 再建。

 

「何もない春です」に対して、当初えりもの人々の抗議があったそうですが、

モノが無いわけではない、のです、町の灯もある人もくらす風はたっぷり。いろいろそれなりにアル、それなのに「何もない」と表現したことは素敵なことだと思いませんか?

 

ワケのわからないことでわやくちゃになってる気持ちの外に立ってみた春、強い風にわやわやが吹っ飛んでいきますしね、暖炉でいろいろ燃やせるのはいいですねえ。

 

だがしかし、気になるのは、観光センターでずっとずっと同じ曲が流れている年月です。

ご当地ソングで検索してみますと、

島倉千代子 襟裳岬 (全然別の歌詞と曲)1977 もあり。

時々はこちらも流れるのかな。

 

 

えりものおぉはるうぅうはぁああなにもぉおないはあるうですぅ

観光センターを出て数日間、これがあたまの中に波のように寄せては押し返すのでした。