スズランとカエデ

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美幌駅あたり、ゴマ油風味の海苔、のような甘い匂いが漂っている、
駅の裏に砂糖工場がある、甜菜から砂糖を作っていて、日によって匂いが違うらしい。

美幌駅に併設されている物産館ぽっぽ屋で、砂糖の袋をお土産にすすめられる。
これまで小分けで販売されることがなかったのが、300グラム入りで発売されるようになったとか。
北海道オホーツク ビート含蜜糖 日本甜菜製糖株式会社
「スズラン印」、である。
日本甜菜製糖株式会社、北海道を生産拠点として製糖事業をおこなっている。略称は「日甜(にってん)」または「ニッテン」。1959年(昭和34年)10月 - 美幌製糖所完成。(wiki)

 

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 砂糖の袋に見るブランドのマークで思い浮かべるのは「ばら印」や「スプーン印」などです。塩や醤油や味噌でこれほどまとまったブランドイメージがないことを考えると、製糖業の発足や発展は大きな資本によるものだということでしょうか。

甜菜(ビート)から砂糖ができるまで
日本甜菜製糖(株) 美幌製糖所
https://www.youtube.com/watch?v=IXz5KwA-vsE

 

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美幌はお菓子屋が多いように思われる。

美幌町で甜菜の栽培が奨励されたのは昭和30年代からのこと、
砂糖工場とお菓子屋に関係があるような、さほどないような。
体験住宅に近いのはひらの菓子司。
この店で一番長く扱っているのはどれですか?サイロのこれなどは?
そうですねえ、それはよそから引き継いたものですけどねえ。
おっとりとしたお返事、一番古いのは、うちですかねえ、ひらのさんは創業100年だとか。

 

f:id:bihoro009:20180116101818j:plain 赤のは無かった、次回トライ

物産館で購入した瓶入りメープルシロップ美幌町のカエデから採取するシロップ。
赤と緑のラベルがある。緑のラベルは「オホーツクメープルシロップ」こちらはイタヤカエデから採取、赤のラベルは「びほろメープルシロップ」カラコギカエデから。瓶正面に貼られたラベルデザインを見ると葉の形が違うことは伝わる。

お箱は無い、簡素で結構、
瓶の裏を見る、品名、樹液原木名、正味期限、内容量、保存方法、生産者、販売者、必要であろう事項がただ列挙されている、

体験住宅情で報誌「HO」(Vol.106)を読み、赤のラベルの貴重なことを知る。
「誰も樹液を採れるとは思っていなかったカラコギカエデ」から試行錯誤の末ようやくたどり着いた樹液の濃縮法、なのですと。今年(2016)御年80歳になられる元酪農家の翁が代表をつとめる美幌町樹液研究会が、北海道の助成を受けて5年計画で1万2千本のカエデを植える。

「これで将来の基礎が固まります」

木を植える、育てる、遠い先まで見ていないと出てこない言葉ですよね。

美幌町の名物が将来は世界一になることを目指す、と代表は笑顔で語る。代表ご夫妻の遠大な理想を込めたシロップなのですけど、物産館の売り場では、冷蔵のガラスケースに、箱も無く能書きも無くウンチクもわからず、ただ瓶が並んでいたのでした。

故事来歴などを書いた紙を麗々しくお箱に入れる付加価値の付け方はその商品を物語ります。しかし、また、
実力というか実態以上に見せかける雰囲気作りで購買欲を喚起させる商いが行き詰まっているようにも感じています。見せかけ、今だけ、が大手を振って歩いている世相。

コストの面も勘定に入れねばなりませんが、代表の志が伝わるメッセージカードくらいあった方がいいようにも思うのでした。美幌のお菓子でこのメープルシロップを使ったものを並べて置いてあれば、ほう?と、手に取る人もいるのでは。物産館の棚づくり、そのような試みがなされる時もあるのかも、しれませんが。