せんべいの記憶2

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十島せんべい店の近くにある山本菓子舗、3代続く和洋菓子店。
パイ生地のおまんじゅう「美幌ロマン」の包みのデザイン、方位図の下に北緯43度35分の旅とある。
美幌の位置は
東経自 143度54分57秒・至 144度20分09秒(東西 33.8km)
北緯自 43度35分44秒・至 43度53分29秒(南北 32.9km)
では、35分とは?
こちらで名所せんべいの小売しています。ご親戚だとか。


「ロマンス製菓(昭和22年に津別町で開業)の下請けとして作ってたんだよー、
以前のものはカニの粉末が入っていたけどねえ。」
十島せんべい店では5、6種類のせんべいを商っている。出来上がりは一斗缶に入れておき、よそに出す小売分は袋詰めして積んでおく。名所せんべいを買いに来たというのに「こっちがいいよー」とカニの図柄のかにせんべいをすすめられた。

道東の名所せんべいの鋳型は、敗戦後間もない時に買い取ったもの、であるなら
それではいったいいつ製造されたのでしょう。
せんべいなどの焼き菓子の鋳型が作られるようになったのはいつ頃のことでしょうか。
最中の皮は明治期以降に現在の形の皮が完成したようですが、凸模様の美しいせんべいには150年続いているものがあるそうです。
私が八十島せんべいの名所せんべいに感銘したのは、商標や抽象的な図案ではなく、刻印されている模様がかくも具体的だということに対してなのです。
和菓子に見る抽象的図案とは洗練されたものですが、あくまで具体的にその名所を簡潔に彫った、具象という別の方向に打って出て何十年、来る日も来る日も焼き続けたその年月。
それでは道東のどんなところがせんべいの図柄として選ばれたのか、16種類一枚ずつ見ていきましょう。

つづく